BuffConf 2026:1年後も、中身を重視する場に
率直な技術の対話、実務で役立つ学び、そして BuffConf 2026 を支えたコミュニティ。2日間を振り返ります。

昨年の Buffer-Free Video)^AI 初開催では、わずか10週間の集中的な準備で、配信分野の専門家150人が1つの会場に集まったことが信じられませんでした。今年、頭にあった問いは違いました。「もう一度できるか」ではなく、「初回を特別にした、雑音の少ない中身の濃さを保てるか」でした。
実現できたと思います。数字もそれを裏付けています。
私たちが望んだ会場
最も誇りに思う数字は、登録124人に対して117人が来場したことです。来場率は94.4%。技術カンファレンスを運営したことがあれば、通常は60%前後だとご存じでしょう。登録しても事情が変わり、半分の名札が受け取られないこともあります。
今回は違いました。そのことが、集まった人々を物語っています。無料の T シャツ、ステッカー、Mo のぬいぐるみ、昔の緑色の Elemental グッズ(Kiran、ありがとう!)を集めるための参加ではありませんでした。欠席7人のうち6人はスポンサー企業の方で、同僚が会場に来ていました。
117人は41の組織を代表し、大手放送局、テクノロジープラットフォーム、動画インフラプロバイダーなど、大規模なメディアワークロードを実際に作り、運用する人々が幅広く集まりました。これほど多くの実務家が1か所に集まると、廊下での会話はセッションと同じくらい、あるいはそれ以上の価値を持ちます。

売り込みは事前審査で除外
私たちが厳しく守ることがあります。BuffConf は営業の場ではありません。提案されたセッションはすべて人が審査し、ベンダーの売り込みに見えるものは差し戻しました。優先したのは利用者と実務家の声、障害が起きて午前3時に本当に呼び出されたことのある人々です。
結果として、17社29人の登壇者による22の技術セッションになりました。特に、登壇者の40%はベンダー以外でした。Paramount、Netflix、FOX、CBS Interactive、Meta、Red Bull Media House などの運用者が、本番での経験を語りました。「当社のロードマップ」ではなく、「何を試し、何が失敗し、最終的に何が耐えられたか」という話です。
マーケティング予算があり、動画の専門家向けカンファレンスをもう1つ支援できるベンダーで日程を埋めるのは簡単です。特に、例年のもっと大きなイベントが、今年はひっそり中止されたように見える状況なら、なおさらです。どのイベントかはおわかりでしょう。しかし、運用者に登壇してもらい、インフラのありのままを話してもらう方が、はるかに難しく、価値も高くなります。そうした話から、会場の誰もが自分の仕事に使える学びを持ち帰れます。
講演で扱ったこと
2日間を通じて3つの主なテーマがあり、それぞれを印象的なセッションが表していました。
大規模な本番ワークフロー。 私は「104試合、50億人の視聴者、失敗の余地なし」で幕を開け、FIFA ワールドカップ2026の数値と、世界規模のライブ配信が実際に要求するものを紹介しました。続いて Paramount の Spencer Shanson が、FAST プラットフォームを数チャンネルから数千へ拡大した経験を語りました。数本のストリームからリニアチャンネルの大きなカタログへ至る道のりは、多くの参加者が日々向き合う運用の現実です。実際に実行した人の話は、どんな構成図より価値があります。そして「大規模」が Netflix の規模を意味するなら、120,000ノードで毎秒10億を超えるリクエストを扱う仕組みを説明するのに、Sunjeet Singh と William Schor ほど適した人はいないでしょう。

実践的な AI と、その限界への率直な認識。 最も新鮮に感じた部分です。AI がすべてを解決すると語る人はいませんでした。まだ道半ばです。基調講演の Manish Rao は、NAB 以降の AWS Elemental Inference の進歩を紹介しました。今の革新の速度では、わずか3か月で世界が変わるほどの差が生まれることに驚きます。CBS Interactive の Edwin Rivera は、CBS Sports が編集者による選定と埋め込みベースの推薦を組み合わせ、実際にエンゲージメントを高める AI の「おすすめ」ページを作った方法を紹介しました。スポーツのコンテンツ発見は、今この業界で最も豊かな課題領域の1つです。NVIDIA の Jeffrey Kember は、アクセラレーテッドコンピューティングがエンコード、品質、リアルタイムのメディアワークフローにもたらす変化を説明しました。メディア向け AI は完成ではなく、まだ始まりなのだと再認識しました。他にも、動画圧縮の概念を直接借りたトークン効率化、自動 QC ループ、エッジでの不正配信対策のシミュレーション基盤がありました。試行錯誤の跡がある実装に、実践的なフレームワーク研修を組み合わせ、チームが持ち帰って開発できる内容でした。

クライアント側の現実。 再生 SDK とデバイス機能の最適化を扱うパネルには、FOX の Jonathan Colwell、Red Bull Media House の Joshua Lamb、Paramount の David Van der Voort(DVD)が参加しました。あらゆるデバイスと利用パターンに対応する日々の混乱を、異なる3つの視点から語りました。再生に携わる人なら誰もが知る断片化の苦労を、3人の運用者が公開で比較する。他では得られないセッションでした。

全体を通じて形式のバランスも保ちました。深い技術講演、十分な交流時間、実際に手を動かすワークショップ。考え、議論し、掘り下げる余地を設けました。
やはり質疑応答が一番
昨年同様、質疑応答には熱気がありました。技術者の参加者が技術的な質問をし、すべての登壇者が応えました。そのやり取りで、準備された講演がさらによいものに変わります。会場の同業者が核心を突くことで、スライドを超え、そこでしか聞けない複雑な詳細へ踏み込めます。
それこそが、対面で開催する理由です。オンラインでは再現できません。
感謝
カンファレンスが実現するのは、形になる前から信じてくれる人々がいるからです。
Paramount、Netflix、CBS Interactive、FOX、Red Bull Media House、NVIDIA、Meta、AWS、Visionular、Bitmovin、そして苦労して得た教訓を共有するために登壇者を送り出してくれたすべての企業の皆さん。宣伝より中身を選んでくださり、ありがとうございます。皆さんがいるから、参加者は飛行機に乗って集まります。
ウルグアイからの JP Saibene と Nicolas Gonzalez、トルコからの Ali Begen、そして遠方からシアトルへ来てくださった皆さん。このコミュニティを形作る好奇心と惜しみなく分かち合う姿勢を持ち寄ってくださり、ありがとうございます。
開催を実現した Momento の仲間、特に Hannah、Mike、Kelsey、Maéline、そして2日間のイベントを自然に進めるために何か月も尽くした皆さん。心から感謝しています。一緒に働けることを幸運に思います。
そして来場してくださった皆さん。このコミュニティそのものがイベントでした。質問、経験、「実は私たちのところでも壊れました」と率直に言える姿勢が、集まる価値を生みます。配信の世界は、特に AI とライブ動画が交わる場所で、急速に動き続けています。私たちは皆、率直な会話を1つずつ重ね、動画の未来を話し合うために集まりました。